乳頭筋断裂
■乳頭筋断裂
まず、乳頭筋とは、心臓の心室にあり、
心筋→乳頭筋→腱索→弁
というふうにつながっていて、
弁の開け閉めに関与している
筋肉である。
乳頭筋は心筋にくっついているので、
心筋梗塞が起こった時に、
乳頭筋を含んだ部分に梗塞が起きれば、
それに伴い、乳頭筋が
断裂する場合がある。
これを乳頭筋断裂という。
乳頭筋断裂には、
一部乳頭筋が断裂する場合と
乳頭筋が全部断裂する場合がある。
どちらにしろ、乳頭筋が断裂すると、
それに伴い、その乳頭筋が支配している
弁が閉鎖不全となる。
心筋梗塞はだいたい左室に多いので、
すなわち、乳頭筋断裂により
僧房弁が閉鎖不全となる。
乳頭筋断裂は、
急性心筋梗塞の約1~3%に合併する。
乳頭筋断裂は、心筋梗塞発症後
約5日以内に起こることが多い。
診断は、心エコーにより行える。
乳頭筋断裂になると、
僧房弁が閉鎖不全となり、
その程度が大きいほど心不全となる。
治療は、手術となり、人工弁置換が
おこなわれることが多い。