心臓バイパス手術の適応
■心臓バイパス手術の適応
狭心症では、基本的には心臓カテーテル治療になるのですが、
心臓カテーテル治療では無理なもの、
心臓カテーテル治療ではリスクの高いものは、
心臓バイパス手術になります。
心臓バイパス手術の適応としては、
・3本の血管が細くなり、3本とも治療する必要がある時
・冠動脈の根元のメインとなる血管(左の冠動脈の根元)
を治療する必要がある時
上記の2つは、原則的には心臓バイパス手術の適応となります。
ただ、上記の場合でも心臓カテーテル治療を行うときも
あります。
上記の場合はなぜ心臓バイパス手術をしないといけないのか
というと、
まず
●3本の血管が細くなっている場合
3本細くなっている時は、場所にもよるのですが、
それだけ再狭窄(治療した所が再び細くなる)
の確率も多いからです。
心臓カテーテル治療は、治療をしたら絶対に大丈夫と
いうわけではなく、何ヶ月後ごとに治療したところが
再狭窄していないかどうか、また検査をしないと
いけません。
1本だけなら、そこだけ注意をしておけばよいですが、
3本となると、3本のうちどれかがまた狭窄してしまう
かもしれません。
そのたびにまた治療を行わないといけないということに
なってしまいます。
●冠動脈の根元のメインとなる血管(左の冠動脈の根元)
を治療する必要がある時
左の冠動脈というのは、とても重要な血管で、
この血管が心臓の大部分を養っています。
そして左の冠動脈は2つに分かれるのですが、
その根元は1本です。
その根元の1本の部分が細くなっている場合、
もし、ステントなどで心臓カテーテル治療を行い
血管を広げたとしても、
もしまたそこが再び狭窄してしまえば、
左の冠動脈には血液が行かなくなり、
心臓の動きは一気に悪くなり
最悪死亡してしまいます。
つまり、心臓の血管でもっとも狭窄すると危険なのが
左の冠動脈の根元なのです。
なので、この血管が狭窄している時は
原則的には、心臓バイパス手術になります。